会議で供される飲食費は「会議費」?「交際費」?判断のポイントを解説
ビジネスでは、商談や業務の打合せなど、「会議」は欠かせません。
最近では、会議を行う場所も変わってきました。
従来のような社内の会議室だけでなく、カフェ風のシェアラウンジ、レンタルスペース、ホテルの会議室、個室型のワークスペースなど、会議の目的に応じてさまざまな場所が利用されています。
一方で、昔から変わらず多いのが、
「飲食を伴う会議」
です。
そこで問題になるのが、その飲食代を
「会議費」として処理できるのか、それとも「交際費等」になるのか
という点です。
今回は、会議に伴う飲食費の税務上の考え方について解説します。
「会議費」と「交際費等」はどう区別する?
会議に伴う飲食費については、一般的に次のような条件を満たしているかどうかが重要になります。
① 会議に際して提供される飲食であること
② 実際に会議が行われていること
③ 社内または通常会議を行う場所で会議をした場合に、通常提供される「昼食程度」の金額を超えないこと
つまり、
「会議をした」という形式だけではなく、実際に会議としての実態があること
が重要です。
「通常会議を行う場所」とは?
ここで気になるのが、
「通常会議を行う場所とはどこなのか?」
という点です。
必ずしも自社の会議室でなければならない、という意味ではありません。
貸会議室やホテルなど、社外で行われる会議であっても対象となる場合があります。
重要なのは「場所」そのものよりも、
その会議の内容や場所から考えて、通常提供される昼食の範囲なのか
ということです。
例えば、貸会議室で打合せを行い、そこで出前の弁当を取ったようなケースであれば、通常の会議に伴う飲食として考えやすいでしょう。
「昼食程度」は一律○○円ではありません
ここは実務上、とても重要なポイントです。
「昼食程度」といっても、
全国一律に「○○円まで」と金額が決められているわけではありません。
会議の参加者、目的、場所、内容などによって判断が変わります。
例えば、社内のスタッフだけの通常会議であれば、1,500円程度のお弁当ということもあるでしょう。
一方、社外の取引先などが参加する会議であれば、5,000円程度の少し高めのお弁当になる場合も考えられます。
さらに、企業の合併や事業譲渡など、機密性の高い重要な交渉では、情報漏えいを防ぐためにホテルの会議室を利用することもあります。
そのようなケースでは、ホテルという場所の性質上、1万円を超える昼食が提供されることも考えられます。
そのため、
「金額が高いから、すぐに交際費」
と単純に判断するのではなく、
どのような会議だったのか
なぜその場所を利用したのか
その場所では通常どの程度の昼食が提供されるのか
などを総合的に考える必要があります。
「1人1万円以下の飲食費」と「会議費」は別の話です
現在の法人税の取扱いでは、一定の要件を満たす社外の者との飲食費について、
1人当たり1万円以下であれば、交際費等から除外できる制度
があります。
しかし、
「1人1万円以下だから会議費になる」
という意味ではありません。
「1人1万円以下の飲食費」という制度と、「会議に伴う飲食費」の考え方は分けて考える必要があります。
反対に、1万円を超えていたとしても、会議の実態、目的、開催場所などから判断して、会議に通常伴う飲食費と説明できるケースもあります。
領収書だけ保存しておけばよいわけではありません
税務調査で問題になりやすいのが、
「領収書はあるが、何のための飲食だったのか分からない」
というケースです。
特に、飲食店、ホテル、リゾート施設などを利用している場合、
「本当に会議だったのか」
「単なる接待や懇親会ではなかったのか」
という点について説明を求められる可能性があります。
そのため、領収書だけではなく、
・会議の日程・スケジュール
・参加者
・会議の目的
・議事録
・精算書
などを残しておくことが大切です。
大切なのは「会議の実態」です
会議に伴う飲食費については、
「いくらだったか」だけで判断するのではなく、「実際にどのような会議が行われたのか」が重要です。
例えば、
「取引先との重要な契約交渉だった」
「機密性が高いためホテルの会議室を利用した」
「会議が昼食時間をまたぐため食事を提供した」
といった事情があり、それを客観的に説明できる資料が残っていれば、税務上の判断もしやすくなります。
反対に、高級料理店で飲食した領収書だけが残っていて、
「会議をしました」
という説明しかできなければ、税務調査で疑問を持たれる可能性があります。
あんしん合同会計からのアドバイス
税務では、
「何という勘定科目で処理したか」以上に、「その取引の実態が何だったのか」
が重要です。
特に会議費と交際費等の区分は、金額だけでは判断できないケースがあります。
そのため、会議に伴って飲食をした場合には、
「誰と・何のために・どこで・どのような会議をしたのか」
を記録しておくことをおすすめします。
少し手間に感じるかもしれませんが、この記録が税務調査の際には非常に重要になります。
会議費・交際費等の判断や、日々の経理処理についてご不明な点がございましたら、税理士法人あんしん合同会計までお気軽にご相談ください。

